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国際●イスラエルのイラン攻撃について
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ここのところ、イランの核開発疑惑についてアメリカやイスラエルが攻撃しそうな感じ
になっています。

昨年の「ジャスミン革命」というＣＩＡや欧米の工作で、次々と反米のアラブ諸国がつ
ぶれ、世界地図を将棋の駒に見立てても、中東の石油やレアメタル資源の略奪が欧米諸
国の目的だったのかと残念に思います。

そして、今度はシリアですよね。
つい数年前シリア大使の講演会を聞いて、アジアと中東の交差点というリビア同様豊か
な国ですよというＰＲを聞いて、いいなと思っていたのに、毎日の激しい戦闘映像を見
せられ、「父親が反政府活動家とマークされたら子供が政府側に誘拐され、指つめられ、
目をつぶされ、胸に３発の銃弾を撃ち込まれ家の前に捨てられて返された」というＮＨ
Ｋの報道を見て、そんなナレーションをただ聴いているだけで涙がうっと吹き出します
けど、もし、私がその父親の立場だったら間違いなく機関銃を手にして反政府攻撃に参
加してしまうでしょうね。

さて、シリアつぶしも理由があるようです。

実はイスラエルがイランへの先制攻撃を今寸止めで待っている状態で、それはここのと
ころのテレビでもバラク国防相のインタビューでの過激なコメントで読者も知っている
でしょう。

そうしたら、YouTubeでイスラエルがイランを先制攻撃する分析をした映像が流れていた
ので非常にわかりました。
http://www.youtube.com/watch?v=H-0EmANes0U

その内容を以下にまとめました。

イスラエル首都からイランの首都テヘランまで直線で約1600km

この距離だとＦ15戦闘機なら十分到達・往復可能ですね。１時間程度で着いちゃいます。

■イスラエルの方針
ベギン主義
周囲の国が原爆を持つのを禁止する。
1981年6月イラク攻撃。原子炉破壊。オシラク。以後イラクの核開発は進展せず。
2007年9月シリア攻撃。デリゾ・ルにある原子炉破壊。

アメリカの利害とイスラエルの利害は一致しており、アメリカはイスラエルにアラブの
核開発をやめさせる「岡っぴき」をさせていることがわかります。

■アメリカの予測
イランの原爆完成は2012年と見られている。
ＣＩＡは2013年から2014年と見ている。

空爆はけっこう大変

イスラエルが侵攻する場合の進路
１．ヨルダン・イラクが短距離でベスト
　しかし、1994年ヨルダンとは平和条約を結んでおり外交問題になる。

２．ヨルダン、サウジアラビア、イラクを通過する
　これも、外交問題発生

３．トルコ
　シリア、トルコ、イラク北部の通過
　適当だが、距離が長く相手に気づかれやすい

こうしてみると、イラクはすでにアメリカ政府管理下。トルコがブーブー言うけど、Ｎ
ＡＴＯだしイスラム教の宗派がスンニ派でイランのシーア派と違う。シリアはイランと
ともに反イスラエル急先鋒。つまりシリアが崩壊して欧米側にひっくり返れば「道が開
ける」のでベスト。

今現在でイスラエルは、１．および３．ルートは使えることになります。
２のサウジは表面上（これがポイント）絶対許されないので使えないでしょう。

■イスラエルの戦術
イスラエルは相手国の通信・レーダ網を破壊する
2007年の原子炉爆撃に使用。
2008年レーダー妨害装置を搭載したガルフストリームＧ155を２機購入。
攻撃にはＦ15、Ｆ16、空中給油機など100機以上の飛行機が必要。

■イランの反撃力
地対空ミサイル、レピアミサイル、ホークミサイル、スティンガーミサイル、
クロタルミサイル
航空機158機
ロシアから秘密で対空システムＳＡ12ジャイアント（S-300V）を購入したか？
その場合、攻撃不可能か、イスラエルは20～30％の被害を受ける。

■地対地ミサイルでいけるか？
2008年に導入されたジェリコミサイルで攻撃（地対地）
42基必要。
命中精度に難があり。この方法は採用しないだろう。

■攻撃対象
イランの攻撃対象核施設が20近くある。
一度の爆撃ですべて破壊は不可能
絞る必要がある
エスファハンの核開発研究センター
ナタンズのウラン濃縮工場
アラクの重水工場
ブシェフルの原子炉

■施設の攻撃方法
しかし、秘密設備があれば爆撃してもウラン濃縮は続行されるので意味なし。
あと設備が散らばっているので攻撃対象が多い。
ナタンズの場合、ウラン濃縮施設は地下８ｍ、厚さ2.5ｍのコンクリート壁で覆われてい
る。

遠心分離機は地下25ｍにあり、数ｍの堅牢な壁に保護
2008年アメリカから要塞破壊爆弾GBU28バンカーバスター600発を譲渡されている。
2.5トンの破壊力。30ｍ地下の６ｍまでの壁を破壊可能。

つまり、イスラエルはアメリカから譲渡（日本はアメリカから高いお金を出して兵器を
定価で買いますが、イスラエルはアメリカからもらっているのです）

バンカーバスターがきちんとあたれば、地下の核施設もたたけるようです。

■攻撃の影響
１．原子炉の破壊などで放射性物質が広範囲に飛散
１０００人ほどのイラン人は即死
１０万人がその後ガンになる
近隣諸国も放射能汚染の影響を受ける

これは、あんまり考えていないポイントですね。たとえ攻撃が成功しても今度は、放射
能汚染という恐怖を引き起こす。

これ、日本も同じことですよ。もし戦争になった場合、相手が原発や再処理工場を攻撃
したら、福島以上の被害があっという間に起きるのです。原発というのは「埋め込み型
原爆地雷」なのです。

２．報復
イランはサバブ３を保持。
2008年にブッシュ政権はイスラエルはアメリカ製のレーダー探知機を提供し、ネゲブで
アメリカ側の協力で作動している。
レバノン南部でヒズボラがジルザルミサイルを発射し、テル・アビブが襲撃される可能
性がある。ミサイルの数によってはイスラエル側は防衛不能。

2006年７月のレバノン攻撃以来、ヒズボラは武器数を元通りに整え４万発のロケット弾
を保有。
自爆テロ多発が予想される。

結局、イスラエルが強気で攻撃に入ると、今度は単純兵器でも多数のロケット弾やミサ
イル攻撃、自爆テロでイスラエルも火の粉をかぶる。

結局、イランだけからの報復ではなく周囲からの報復になり、それに応戦して再び中東
戦争化するわけです。

イランがホルムズ海峡を封鎖する可能性
爆撃によりイランはいっそう核開発に積極的になり、核拡散防止条約から身を引く

これは、現在アメリカ海軍が空母２隻も出して、イラン軍をけん制していますね。

■イスラエルのポイント
原爆独占の地位を失う恐怖
リスクゼロを尊ぶ
ユダヤ民族は自分たちが滅ぼされることを何よりも恐れている

「防御」にこだわるイスラエルが行き着く先は恐怖だけであり、巨大な恐怖が常に先制
攻撃と過剰破壊につながっているという構図です。

神の言うとおりです。

■アラブ諸国がイランを助けない理由
スンニ派アラブ諸国はイランがその一歩を踏み出すことを恐れている。
イランの核兵器保有は自国の安全を脅かすだけでなくアラブ諸国での核拡散を引き起こ
すことになる。
アラブ諸国はイスラエルが爆撃するのを悪くは思っていない。

これは意外なオチなんですが、同じイスラム教といっても、サウジなどスンニ派の国々
は、親米で石油で儲けていたいので、原理主義や過激なシーア派のイランが嫌いなんで
す。ただ、自分たちでやっつけるわけにもいかないので、猛犬イスラエルにかませるか、
欧米に「暗殺」してもらえば悪いのはイスラエルや欧米ということにできるからいいや。
という戦略みたいです。

あたかも、キリスト教のカトリックとプロテスタント、仏教などの派閥抗争に似ていま
すね。

こういうわけで、シリアをつぶすとイスラエルを使って欧米とアラブ諸国はイランを葬
れるというポジションをとれるので、一生懸命シリアをつぶしにかかっているわけです。

すると、中国やロシアが頑強に欧米に反してシリアを擁護し、イランに支援をしている
わけがわかります。欧米の代わりに自分たちが資源利権を得られますから。

ただ、こういう緊張状態が続けば、遠い日本は沖縄の在日米軍基地がイラン情勢によっ
ても出動状態になり、ホルムズ湾警備で海上自衛隊が使われ、結果として沖縄の基地問
題は解決しない。さらに、原油価格は上がるし、イランと仲良くして石油を得ておきた
い日本政府も大打撃を受けます。

どうしたものか。

（内海君：小市民）

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